2014/09/04
自家歯牙移植
「自家歯牙移植」という治療方法があります。
これは口腔内にある使わない歯(例えば親知らずなど)が存在する場合、それを保存不可能な歯牙を抜歯したところに移植する、という治療方法です。
以前かなり頻繁に取り入れていた時期もあるのですが、インプラント治療に徐々に置き換わってゆき、しばらく行っていませんでした。
しかしここ数年、再度天然歯の利点を見直す流れが自分の中でもあり、最近では欠損補綴の選択肢として再度取り入れるようになっています。
移植する歯牙の形態やクオリティ、また患者さんの年齢など、成功させるにはいくつかの条件があるのですが、それでも自分の歯を使えるというメリットは大きいと思っています。
インプラント治療は確かに高い機能回復をもたらします。しかし同時に最後の手段、という感も否めません。
まずは可能な限り歯の保存を試みる。それが難しい場合、歯牙移植など使える歯がないか模索する。それでも難しい場合その時が初めて、インプラント治療の本当の適応だと考えています。
もしお口の中に歯がないところがある、親知らずがある、歯並びがあまり良くない、などの不安がある方は、ぜひ一度相談してみてください。(矯正治療が必要な場合、抜歯して矯正治療するケースもあります。その際に抜歯した歯牙を移植に使用できることがあります)


